桜

大事なのはそのカタチ

さ、寒いです……
つい先週は夏日だなんて言ってて、今週はまた真冬の気温だなんて(汗)

三寒四温なんて言いますけど、ちょっと温度差が激し過ぎませんかね?

なんて愚痴の一つもこぼしたくなるこのところの天候ですが、
こればっかりは誰のせいにもできません。

日本には花冷えなんて美しい言葉もありますが、皆様、お体を大切に、ご自愛なさって下さい。

さて、せっかく開花し、満開を迎えるところの桜も、この寒さで心配ですが、先月の続きの虫さんたちはどうでしょうか?

生憎となかなか肉眼ではお目に掛かれない方々(笑)ですけど、元気で活動していると信じましょう。

それでは、ここから本当に先月の続きのお話――
そう、土壌の微生物についてお話ししたいと思います。

突然ですが、皆さん、土の『団粒構造』って何だかご存じでしょうか?

実は以前にもここのコラムでちょこっと触れたのですが、憶えていらっしゃるかな?

農家の皆さんや、園芸をなさる方は良くご存じですよね。

そう、良い土(植物の栽培に適した)が持っている構造のことを言います。

土ってあれば良いわけではないのですよね、当然。

どんな土でもあれば植物が良く育つのなら、『荒れ野』だの『不毛の大地』なんて言葉は生まれないですし、何より農家さんのご苦労が無くなるでしょう。

良い土じゃないと、良い作物――元気で栄養価の高い作物は育ちませんし、繁茂しないですからね。

さて、その良い土の条件、『団粒構造』とはいったいどんなものなんでしょうか?

まあ、名前の漢字から何となく想像は付くと思いますが、
そう、『粒々した団子状の土』ということです。

図にするとこんな感じ

団粒構造

小さい土の粒が集まって団子状になり、それがまたくっついて一塊になっている、
って感じですね。

何でこういう構造になっているのが良いかと言いますと、

上の図を見てください。

スッカスカな感じがしませんか?

そう、このスカスカが良いんです(笑)。

何故ならば、このスカスカ構造だと空気や水の通りが良く、同時に団子の隙間に水や空気を貯め込むこともできます。
水捌けが良く、保水性が高くなるわけですよ。

また、これはさらに小さい土壌の粒子の話ですが、粘土の微粒子はその表面で栄養素となるカリウムやマグネシウムなどの陽イオンと結合しますので、保肥性も高くなるわけです。

正に植物にとって良いこと尽くめ♪

それでですね。

この団粒構造、土があれば勝手にこうなるわけではないんですよ。

びっしり土の微粒子が詰まった土壌に隙間ができ、微粒子同士がくっついて団子となり、団子同士がくっついて団粒構造となる。

実は、この隙間を作る(二酸化炭素を発生させる)のも、土の微粒子同士をくっつけるのも菌などの微生物がやってくれています。

大きな団子同士をくっつけるのは、同じく菌やらミミズなどの小動物が出す粘液だったりするわけです。

そして、これらの作業は人間の手ではできないんです。

つまり、土壌に微生物くんたちがいてくれないと、良い土にはなれないのですよ。

もう、微生物くん、いや微生物さん、様様ですね(笑)

こういう団粒構造を持つ土を触ると、ふかふかしています。
土がやわらかい、なんて言ったりもしますね。

一方、団粒構造を持たない土は、かたい感触がします。

かたい土――おや、どっかで聞いたことがあるような……?

そうです。
化学肥料を使った後の土って、カッチカチになりますよね。

あれです。

先月のコラムで書いた通り、化学肥料を使うと微生物が死滅してしまうので、かたい土になってしまうのですよ。

かたい土では、団粒構造にある良い特徴は見られませんし、隙間がないので、植物は土壌の栄養を吸収するために大切な毛細根を伸ばすこともできません。

このように、植物にとって、延いては人間にとっても、微生物と共存していくことがいかに大切かが分かりますね。

弊社のタナクラクレイには多くの微生物たちが棲む細菌叢が含まれていますので、是非、皆様の土地に放ってやって下さいませ。

ミネグリーン

:M

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